◆Column 【コラム】

フルーティってなんですか?

2015/03/15

●フルーティなお酒とは。。

文字通り、香り華やかなタイプの日本酒です。

薫り高く飲みやすいものが多く、今一番人気のあるタイプのお酒です。

薫酒と一口に言っても、その香りがどのような香りなのかによってタイプ分けすることができます。

 

●日本酒の香りを仕分け!

 

まずここで、日本酒の香りを大別してみることにします。日本酒には大きく分けて、上新粉のようなお米の香り、花や果実のような華やかな香り、紹興酒のような香りがあります。

お米の香りはお米そのもの、お米由来の香りです。花や果実のような華やかな香りは、糖分をアルコール発酵させる酵母が由来となる香りです。紹興酒のような香りは熟成によって発生するものです。薫酒は、この中でも酵母由来の華やかな香りが特徴的なお酒の事を指します。

 

⚫︎さらに薫酒を仕分け!

日本酒でフルーティと言われるものには大きく分けると2つのタイプがあります。リンゴや洋ナシのような香りのするものと、バナナやメロンのような香りのするものです。薫酒のお酒の香りとして、この2つの香りは両対極にあり、薫酒の香りを蔵元さんが決める時には両者をどの位ずつのブレンドにして、どのような香りを実現するかを、考えています。

 

⚫︎蔵元の取り組み

この香りのブレンドを実現する為の手段として、香りを生み出す酵母をどう使うのか、それぞれの蔵元さんによって異なる取り組みがなされています。その取り組みの違いが味に反映され、それぞれのお酒の個性となっています。酵母はどの酵母を使うのか。一つ使うのか、二つ使うのか、いくつ使うのか。また、酵母を混ぜて使うのか、使ってから混ぜるのか。気になりだすと止まらないのですが、気にしすぎるとお酒の味がおざなりになってしまうので、ほどほどにしておきましょう。。面白いのは何を使ったのかではなく、何故それを使いその味わいを狙うに至ったのか。そこに造り手の人柄、個性が反映されるものだと思います。

 

●オススメの薫酒、7選!!

 

(1)華やかな香り!リンゴ系の薫酒

・鳳凰美田(栃木)

リンゴ、洋ナシ系の香りのお酒の代表格とも言えるのが、栃木県の鳳凰美田です。特徴はやはりその芳醇な香り。その妥協なき酒造りへの姿勢で、栃木の地酒を牽引する存在です。

 

(2)しっとりとバナナ系の薫酒

・正雪(静岡)

静岡の地酒として、静岡らしい吟醸酒を造っているのが、正雪です。優しく料理の邪魔をしない香りと、飲み飽きしない柔らかな味わい。

 

(3)人気沸騰!今注目の蔵

・作(三重)

三重県の鈴鹿で醸されているのが、作と書いて’’ざく”と読むこちらのお酒です。その名前から、ガンダム世代の日本酒好きにも支持のある同蔵。切れ味鋭い味わいは、抜群です。

 

・羽根屋(富山)

今では通年で酒造りを行っている、富山の羽根屋。手間暇をかけて仕込みを行ったお酒は、芳醇でありながら、すっきりとしています。季節を選ばず、羽根屋の味わいを楽しむことができます。

 

(4)革新から伝統へ!花酵母を用いたお酒

 

・天吹(佐賀)

佐賀の老舗の酒蔵です。こちらでは花からとった花酵母でお酒造りをしています。多種多様な花酵母を自在に使いこなし、旨味もしっかり、華やかなお酒を醸されています。

 

・来福(茨城)

花酵母でお酒を造る酒蔵の中でも東で一番定評があるのが、こちらの来福酒造です。花酵母に限らず、様々な意欲作を造られています。インパクトのある味わいからキレる後口は秀逸です。

 

(5)要注目!若手のホープ!

・陸奥八仙(青森)

青森県産にこだわった、芳醇旨口のお酒が陸奥八仙です。香り高く優しい味わいのお酒は、飲む人を選ばず、幅広い支持を得ています。昨年より新しい試みのお酒も増え、これから要注目です。