◆Column 【コラム】

ワインとブドウの関係、日本酒と米の関係

2014/12/15

●ワインを選ぼう!
「よし、今日はワインを飲もう!」
と、思い立った時。皆さんは何を基準にワインを選びますか?どこの国の産地なのか、甘口なのか辛口なのか、生産者は誰なのか。それぞれに選ぶポイントがあると思います。そんな中でも、ワインを造るブドウの品種というものは、ワインの味を大きく左右する要素として重要だと思います。
例えばカベルネ・ソービニヨン、例えばシャルドネ、例えばソービニヨン・ブラン。それぞれのブドウの品種によってワインの味もまた、ある程度の予想がつくと思います。

●日本酒を選ぼう!
それでは、日本酒を選ぼう!と思い立った時。皆さんは何を基準に日本酒を選びますか?純米造りなのかアルコール添加なのか、甘口なのか辛口なのか、純米酒なのか純米吟醸なのか純米大吟醸なのか。もちろんワインにおけるブドウの品種のように、日本酒においても原料である、酒米の品種によってお酒を選ぶ方もいらっしゃると思います。

しかし、ブドウの品種からワインをチョイスした場合に比べ、はるかに当たり外れが大きいと感じたことはないでしょうか?なぜ日本酒においてはそれ程当たり外れが生じてくるのでしょうか?

 

似て非なる、ワインと日本酒

ワインと日本酒は共に醸造酒であり、比較されたり一緒に語られたりします。それぞれの味の構成要素は、化学的に言うとアルコール、有機酸、糖、グリセリン、アミノ酸などです。

ここでは、有機酸を軸にして考えてみましょう。日本酒やワインにはさまざまな有機酸が含まれており、味に関係する重要な要素となっています。
ワインに含まれる有機酸のうち、9割近くを占める酒石酸とリンゴ酸という奴は、大部分が原料のブドウがもともと含んでいるものです。これに対し、日本酒の有機酸の8割近くを占める乳酸、リンゴ酸、コハク酸の大部分は、酵母によって発酵期間中に作られるものです。

つまり、ワインは原料のブドウによって大きく味を左右され、日本酒は造り方によって大きく味を左右されるということです。そういう訳で、日本酒においては原料の品種によって味を判断するのが、ワインと比べて難しいのです。

 

じゃあ、結局日本酒ってどうやって選べばいいの?!

同じ原材料のお酒でもそれぞれの杜氏さん、蔵元さんの方向性によって味が違うのだとしたら、どうやって味を判断したらいいでしょうか?

 

一番手っ取り早い方法は、わかる人に聞くことです。

 

まずは、実際の造り手である蔵元さんや杜氏さん。次に蔵元さんとの距離も近くお酒のプロである酒屋さん。そして日本酒の飲み方のプロである、きき酒師はじめ、飲食店。今後はより商品も多様化していくでしょう。バリエーション豊かになり、楽しみも増えていくことと思います。信頼のおけるプロフェッショナルを周りに見つけておくと、今後のSAKEライフがより一層輝くのではないでしょうか?