日本酒は酒税法によって以下のように定義されている。
米、米麹、水を原料として発酵させてこしたもの
(酒税法第3条第7号)
日本酒は醸造酒の1種で、原料として米、米麹、水を用いたものである。他に醸造酒としては、ブドウを原料とするワイン、麦芽とホップ、水を原料とするビールなどがある。
アルコール飲料は製造法によって、醸造酒、蒸留酒、混成酒(リキュール類)の3種に分類される。
●醸造酒と蒸留酒
醸造酒:果実や穀物が自然と発酵してアルコールが生成されたものが起源とされる。最も古くから行われるお酒の造り方である。6~20度と比較的低アルコール度数となる。
蒸留酒:中世において疫病の流行とともに消毒の用途で広まる。蒸留を行うことで、より純度の高いアルコールとなる。原酒の状態では約40度以上と高アルコール度数となる。
同じ米を原料としたアルコール飲料も、日本酒は醸造酒、焼酎は蒸留酒と分類される。
細かい製法の違いはあるが大まかに考えると、ブドウを原料としたアルコール飲料では、醸造酒をワイン、蒸留酒をブランデーと分類し、麦芽を原料とするものは醸造酒をビール、蒸留酒をウィスキーと分類する。
●濾す
米を原料とする醸造酒でも、製造の工程において濾す工程が入るか否かによって、どぶろくと日本酒とに分けられる。それぞれ製造の免許も別々に交付されているため、清酒蔵の醸造するものはにごり酒であっても必ず「濾す」工程が行われている。どぶろくの製造者は清酒を製造することは法的にできない。
どぶろく ⇔ 日本酒
・旨み、甘みを中心とした味わい
➡お米が原料である為、米由来の甘みや旨みが主体となる
➡料理との相性の幅が非常に広い
・他の醸造酒に比べ、高いアルコール度数(~22度)
➡日本酒特有の並行複発酵による
・飲用温度帯が広い
➡その日の気温、合わせる料理の温度など様々なシーンに合わせることができる
日本酒は明治時代以降、富国強兵などといった政策を背景として国の収入の大きな部分を担ってきた(1875年の酒類税から。1902年には税収の35%にもなる)。このような歴史的背景から日本酒は酒税法によって管理されるようになった。
蒸留とは液体を熱して、できた蒸気を冷やして再び液体とすることで精製や分離を行うことである。ここでは水とアルコールの沸点が違うことを利用して、よりアルコールの純度を高めることに利用される。
日本酒は以前どぶろく(濁酒)と区別するために清酒と呼ばれていた。特定名称を持たない日本酒が清酒と表記する場合が多く、清酒=低品質ととらえられる風潮があるが、これは誤りである。