【上槽③】Pressing Sake③
搾りたてのお酒はフレッシュで、ピチピチとはじけるような味わいが非常に印象的です。しかしフレッシュな反面、荒々しく感じられる部分もあり、造り手の目指す味わいにしたがって味わいの調整が必要となります。
(1) 滓引き Oribiki Racking
まずは搾ったばかりのお酒に浮遊している細かい滓をタンクで安静にして沈殿させます。この滓は米や酵母などの固形物で、10日ほど置いて沈殿させた後に上澄みのみを取り出します。
「おりがらみ」などのあえて澱を絡ませた商品もありますが、商品の味わいの変化が起きやすくなることもあるため、通常の商品では澱は取り除かれています。
(2) 濾過 Roka Filtering
滓引き後のお酒に活性炭を加えて濾過を行うことで、完全に澱を除去する工程を濾過と呼びます。活性炭を用いることで滓は完全に取り除けるのですが、お酒自身の香味も失われる部分が多く、その匙加減、活性炭の種類や量の調節などに造り手ごとの個性が出るところです。この活性炭による濾過は行わず、お酒の本来もっている香味特性を生かした商品も非常に多くなっています。こういった商品は「無濾過」として販売されています。
※酒税法により、日本酒は必ずもろみの段階から濾す工程を経なければならないとされています。このため、無濾過として販売されているお酒でも、活性炭の濾過は行っていないが濾過器は通している、というものも多くあります。