もろみを搾って酒と酒粕に分離する作業を上槽と呼びます。上槽には様々な方法があります。
1.)袋吊り
酒袋にもろみを詰めて吊り下げることで、圧をかけず自然に搾ります。
袋吊り
Hukuroturi
もろみにストレスをかけない分、よりクリアで澄んだ味わいのお酒を志す際に用いられます。時間と手間がかかるので、すべてのお酒に用いることは余りありませんが、鑑評会への出品酒などの手間暇を惜しまないお酒に対して用いることが多いようです。
2.)槽しぼり
酒袋にもろみを詰め、槽と呼ばれる機械に袋を敷き詰め上からプレスすることで搾ります。
槽しぼり
Hunashibori
搾り始めて、採れたタイミングによって呼び名が変わります。搾り始めの最初の方の無加圧でとれたお酒は「あらばしり」と呼ばれ、中頃のものは「中取り」、最後の方で圧力をかけて絞り出したお酒は「責め」と呼ばれます。
3.)自動圧搾機
ヤブタ
Yabuta
ヤブタというのは日本酒の自動圧搾機の呼び名で、この機械のメーカー名を取って呼ばれています。このヤブタで搾ったお酒は、他の搾り方と比べて最も空気と触れる時間が短いのが特徴です。このためフレッシュなお酒、ガスの発泡感を残したお酒はヤブタで搾ることが多いです。